たつの市立中学校部活動の方針 たつの市教育委員会
1 部活動の方針について
中学校の部活動は、学校教育の一環として行われ、自らの興味や関心をもつ生徒が、そ
れぞれの個性や能力を主体的な取り組みによって伸長したり、学年や学級の枠を超えて、
仲間と切磋琢磨しながら、励ましたり協力したりする中で、社会性を育み人間形成に資す
るなど、生徒の多様な学びの場としての教育的意義が大きい活動である。
たつの市教育委員会では、生徒一人一人が、生涯にわたって健全な心と身体を培い、豊
かな人間性を育む基礎となる部活動を持続可能なものとするため、望ましい部活動の在り
方について「たつの市立中学校部活動の方針」を作成し、関係団体等と連携しながら取り
組むものとする。
2 適切な指導の実施について
(1)安全指導の充実
ア 生徒の心身の健康管理
スポーツ医・科学の見地から、練習効果を得るためには、休養を適切に取ることや過
度の練習が成長期の生徒のスポーツ障害・けがのリスクを高めたり、バーンアウト(燃
え尽き症候群)をおこしたりすることにつながることを理解する。
また、女子の成長期における心と体の状態に関する正しい知識を得た上で指導を行
う。
イ 事故の防止
生徒は一人ひとりの発達段階、体力、習得状況が異なることから、練習(大会)前後
に個々の生徒の健康観察を行うとともに、練習(大会)中も生徒の動きや顔色などによ
り健康状態を把握し、状況に応じて練習内容の変更や無理のない練習となるよう留意
する。特に十分に活動になれていない1年生や定期考査期間の休養後の活動について
は注意する。
また、熱中症等を未然に防止できるよう、熱中症に関する知識を深め、常に危機管理
意識をもつとともに、万が一、事故が起こった場合についての対処の仕方や救急体制
の確立を図る。
ウ 体罰・ハラスメントの根絶
指導にあたっては、体罰はもとより生徒の人間性や人格の尊厳を損ねたり否定した
りするような発言や行為は許されない。体罰等を厳しい指導として正当化することは
誤りであり決して許されないものであるとの認識を、部活動に係るすべての指導者が
もつことが不可欠である。
エ 施設・設備・用具の安全点検の実施
施設・設備・用具の定期的な安全点検を実施し、常に安全を確認する。
また、生徒が自ら安全に関する知識や技能を身に付け、積極的に自分や他人の安全
を確保できるようにする事が大切である。
オ 校外での活動について
校外で実施される練習試合や大会・コンクール等の参加に際しては、実施日や場所、
引率方法などについて必ず事前に校長の承認を得る必要がある。
(2)効果的な指導と休養日
ア 適切な休養日の設定
国・県のガイドラインにも示されているように、部活動以外の多様な活動に触れる時
間の確保を図るため、ノー部活デーを原則毎週平日1日、土日等の休業日1日を設定
し休養日を設ける。
イ 1日の活動時間
1日の活動時間は、平日2時間程度、休業日3時間程度とし、合理的でかつ効率的・
効果的な活動に取り組むことが必要である。また、大会等でやむを得ず長時間の活動
になる場合は、事前に校長の承認を得るとともに、生徒の活動中の体調管理や活動後
の疲労回復に努める。
ウ 長期休業中のノー部活デー
長期休業中の休養日の設定についても前項(2)アに準ずる。また、夏季休業中の活
動は午前中のみとする。また、活動においては、熱中症マニュアルに準じ、熱中症予防
に努める。
エ 定期(中間・期末)テスト期間中の活動
定期(中間・期末)テスト中及び1週間前をテスト期間とし、放課後の活動は禁止
する。
3 適切な運営のための体制整備について
(1)活動計画・活動練習状況表
部活動顧問は、毎月の活動計画(活動日・休養日・大会参加日等)及び学期毎の活動練
習状況表(活動日時・休養日・大会参加日時等)を作成し、校長に提出する。その際、部活
動顧問は生徒の多様なニーズや意見を把握し、生徒の主体性を尊重して作成する。また、
毎月の計画や大会・コンクール等の開催予定などを事前に生徒・保護者に伝える。
(2)活動の指導・是正
校長は毎月の活動計画及び学期毎の活動練習状況表を確認するとともに、全体的な活動
内容の把握に努め、適宜、指導、是正を行う。また、学校と地域・保護者が共に生徒の健全
な成長のための教育、スポーツ環境の充実を支援するパートナーという考え方の下で、保
護者の理解と協力を促す。
(3)部活動運営の検証
各中学校の様子や「ノー部活デー」の取組等を話し合い、適切で効果的な部活動の在り
方を検討するため、必要に応じて「たつの市中学校長会」を開催し、方針の見直しを行う。
4 部活動を理由とする校区外就学について
(1)就学指定校の変更
たつの市立学校の就学指定校の変更等に関する取扱い要綱(以下「要綱」という)第5
条に基づき、以下の変更基準を満たす場合に限り、教育委員会が就学指定校の変更を認め
る。なお、部活動を理由とする区域外からの就学は認めない。
変更を許可する条件
・小学校時代にしていたスポーツの部活動が就学指定校にない場合。
・保護者の責任のもと、安全に通学できること。
・入学(転校)後は、当該部活動に入部し、原則として3年生の部活動引退まで
続けること。
・原則として、入学(転校)した中学校を卒業すること。
(2)変更の手続き
ア 就学すべき年の1月20日までに、保護者が教育委員会に就学指定校変更願(様式第
1号)及び事実を確認できる書類を提出する。
イ 教育委員会は、児童生徒本人、保護者と面談し、意向を確認する。
ウ 教育委員会は、許可条件及び意向をもとに協議をし、要綱第4条に準じ、結果を通知
する。